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第4位作品
キルギスの伝統的スポーツ
キルギス民族大学東洋学部 4年
バイボスノフ・ナズム
世界中、どの民族でも自分の伝統的スポーツを持っており、その伝統的スポーツは民族の性格を反映していると思います。キルギス人にも、昔からの生活に関係したスポーツがあります。馬は昔から、キルギス人の生活において大きな役割を果たしてきました。そのため、キルギスの多くの伝統的スポーツにも馬が使われています。どんなスポーツがあるのかご紹介しましょう。
馬を使ったキルギスの伝統的スポーツは、例えば、競馬、クズ・クーマイ、コクボール、エルエニシ、ティインエンメイなどです。
競馬では、昔は五百人以上の選手が参加し、六十キロメートル以上馬を走らせて競走していましたが、現在の競走距離は最高で十キロメートルぐらいです。そして、今は競馬でキルギスの馬をあまり使わず、ソ連の時に馬飼育場で開発した新種の馬を使っています。この新種の馬は、キルギスの馬と違って背が高く、足も長く、すぐ速く走れますが、疲れるのも速いです。それに対してキルギスの馬は、背が低いですがとても根気の強い馬で、草原でも山の所でもよく走れます。昔の競馬について、マナス叙事詩にも詳しく書かれています。
クズ・クーマイは「乙女追い」という意味で、男の人が女の人を馬で追い、女の人に追いつくことができたら賞品をもらえます。もしできなかったらとても恥ずかしいことです。その後男の人は女の人を盗むことにします。私の意見では、「盗んで花嫁にする結婚」の出現はこれがもとではないかと思います。
コクボールは、またの名前をウラックタルトゥシといいますが、この名前はキルギス語で「山羊を引く」という意味です。このスポーツで、山羊の頭を切り落として体だけをボールとして使います。その山羊の体を、最初にタイカザンという大きな皿のような穴に入れたチームが勝ちます。このスポーツはある人にとって、ひどくて恐ろしく見えるかもしれませんが、私は、これよりも、世界的に有名なスペインのコッリダがもっとひどいと思います。コクボールも昔は二百人以上の人が参加していました。
エルエニシは馬に乗ってレスリングをするスポーツです。エルエニシのルールでは、二人の選手が相互に闘って馬から落とします。ティインエンメイでは、選手が馬をとばして土地に並べてある貨幣を取り集めます。
ほかに馬を使った伝統的スポーツに、「ジャンブを打つ」がありました。これは、昔ソ連時代の前に行われていたスポーツです。ジャンブというのは金属の塊で、このスポーツの参加者は、馬で駆けながら、細い糸で高い柱にかけてある金属の塊を弓とか鉄砲で撃ち落とさなければなりませんでした。このスポーツは10月社会主義革命後、ブルジョア的ないわれて禁止されました。ソ連の時はほかの伝統的スポーツもあまり発達しなくて忘れられていたのです。キルギスタンの独立後やっと、キルギスの伝統的スポーツがよく普及し始めました。
キルギスにはレスリングもあります。キルギス・レスリングでも、日本の相撲と同じように、選手は勝つために相手のバンドをつかんで持ち上げて、その後倒します。
これらのキルギスの伝統的スポーツは面白いと思います。そして、私達は自分の民族の言語や文化と同様に、伝統的スポーツも忘れないで発達させなければならないと思います。なぜなら、これらは全部、私達の祖先から受け継いだ民族の宝だからです。